報告

海学び舎あらかると啓発事業 ~海・船のお話会と海の環境学習や体験型見学会~

イベント概要

海洋国日本の国づくりやまちおこしを担う次世代の小学生に広く海洋について理解、関心を深めて貰うことを目的に、「海・船のお話会と海の環境学習や体験型見学会」を6月29日(木)に大阪港天保山岸壁周辺及び大阪港内において実施しました。当日は、午前中にわか雨に見舞われたものの、午後からは日差しが戻り始め、過ごしやすい気候の下、大阪市港区内の小学校3校の5年生、6年生総勢196名が参加しました。

日時
平成29年6月29日(木)

場所
天保山客船ターミナル、海遊館等

サンタマリア号の船内見学
通常の定期便の出港前約1時間を、本見学会のために特別に貸し切り、船内で体験型の見学会を実施しました。参加児童は学校毎に5グループに分かれ、船内5カ所のポイントを巡って、サンタマリア号の船員指導の下、児童向けの体験型プログラムを体験して回りました。
船内での体験型プログラムは、①船長講話(操船する人々の仕事の内容や役割、大阪港を出入りする船の種類などのお話)、②ロープワーク(舫結びなど、基本的なロープの結び方の体験)、③救命胴衣の着用体験(救命胴衣の着用の仕方、役割、特徴、着用時の飛び込み方などを解説して頂き、児童二人一組で着用体験)、④船内探検(4層に分かれる船内を、船員の解説の下、見学して回りました。)、⑤手旗信号体験(紅白の手旗を持ち、コミュニケーション方法を体験)の以上5つの内容でした。

サンタマリア号に乗って大阪港内クルーズ体験
引き続き11時より大阪港内を45分間クルーズしました。天保山岸壁を出港した船は、一旦安治川を遡上しました。安治川右岸にはユニバーサルスタジオジャパンがあり、水上から垣間見えた園内のアトラクションに歓声を上げる児童もいました。船はその後反転し安治川を下る際には、大小様々な貨物船、旅客船とすれ違い、間近に港で働く船を観察することが出来ました。その後、咲洲のコンテナ埠頭横を航行した際には、ガントリークレーンでコンテナを次々に船に積み込むシーンに、間近に接することが出来ました。
生憎一時少雨に見舞われる時間帯もありましたが、出港後は心地よい潮風を肌に感じながら、参加児童は船内クイズラリーを思い思いに楽しみました。眼前に広がる海や行き交う船、海から見るいつもとは違う目線からの大阪港や沿岸の街並みに、参加児童は一様に目を輝かせていました。

参加各校学校紹介
今回初めての試みとして、参加児童がそれぞれの学校について知り、交流を深めることを目的に、学校紹介の時間帯を設けました。
模造紙にイラストを描き込んで学校の特徴を上手に示したり、複数人で登壇してマイクを回して役割を決めて発表したり、それぞれ趣向を凝らして面白、楽しく学校の紹介をして頂きました。


上窪良和講師(近畿内航船員対策協議会会長)のお話
 かつて30万トン級の大型外航貨物船の船長を務められた上窪講師に「海の大切さと船員の仕事」と題して講演を頂きました。
上窪講師からは冒頭、海に囲まれた日本は外国との交易によって成り立っていることを強調され、輸入(重量ベース)の約99.7パーセントが船によってなされ、残りの約0.3パーセントが飛行機によるとのお話しがありました。
 そして、日本の輸入品(重量ベース)の上位6種は何だろうと、参加児童に問い掛けながらお話しを進められました。児童からは積極的に手が挙がり、自分達の思う答えが次から次に出されました。中には珍答も飛び出し、海で成り立つ日本について楽しく学ぶひと時を過ごすことが出来ました。

 上窪講師からは、児童にも理解出来るようユーモアを交えて、分かりやすくお話をして頂きました。聞いていた児童も話の内容に興味を持ったのか、最後の質問コーナーでは、次々に質問の手が挙がり、時間を大きく超過するほど大盛況でした。児童からは、「船には一生で何回くらい乗った?」「船乗りをしてこれまでに何度引っ越しをした?」、「船乗りは家族と一緒に船に乗れるの?」、「これまでに海賊に出会ったことはある?」「船員になったらどれくらいの給料がもらえるの?」等々、子供目線のユニークな質問がたくさん出され、楽しく海や船を学ぶひと時を過ごすことが出来ました。


海遊館アカデミーへの参加
その後、海遊館が提供する海や海洋生物について学ぶ学習会に参加しました。海遊館からは展示飼育部の北藤真人講師から「大阪湾ってどんな海?」と題してお話しをして頂きました。
 北藤講師は、大阪湾の大きな地図を掲げて、大阪湾の位置、大きさ、そして今いる天保山の位置などを、児童の興味を掻き立てるよう、答えを問い掛けるクイズ形式で話を始められました。 その後、大阪湾で見られるレッドデータリスト掲載の絶滅危惧種の紹介、大阪湾でよく捕獲される魚介類などを同じく、児童に考えて貰いながらお話をして頂きました。
 北藤講師からの問い掛けに対し、参加児童からは積極的に手が挙がり、大阪湾の豊かさと共に、生存の危機に瀕している生物があることを深く学ぶことが出来ました。
 大阪湾の護岸の開発により、干潟などの自然な形の浜辺が消失したことによる大きな弊害の紹介がありました。また人が残す釣り針、釣り糸などのゴミにより海鳥などの生態に深刻な影響が出ていること、また、都市の河口近辺では工場や家庭などからの排水により海底にヘドロが溜まっているといった、人間と自然の共生の中で生じる弊害のご紹介もあり、海洋環境保護の大切さを学ぶことが出来ました。

海遊館の見学
 本体験型見学会の最後は、大阪が誇る水族館「海遊館」に入館し、海の生物を見学し、学習を深めました。
参加児童は海遊館の「探検ノート」を片手に、展示生物を書き写したり、館内スタンプラリーを楽しんだり、サメやエイなどの魚に実際に触れてみるなど、命を育む海の大切さや奥深さ、そして、海の恵みについて一層理解と関心を深めました。